“なじらね?”から始まる、ことばの旅。

新潟で暮らしていると、ふとした会話に「やさしさ」や「あたたかさ」を感じる瞬間があります。
それはたぶん、この土地の“ことば”が持つ力。
「なじらね?」「ばか寒いね〜」「それ、ごーぎうんめぇて!」
意味がわからなくても、どこかほっとする。
そんな新潟弁を、今回は10個ご紹介します。
会話例や意味も添えているので、読み終えたころにはきっと、
あなたも「なじらね?」って誰かに言いたくなってるはずらて!
新潟弁の特徴ってどんな感じ?

語尾の「〜が?」がクセになる
新潟弁の中でも、とくに耳に残るのがこの語尾。
「今日飲みに行くが?」「ラーメン食うがー?」のように、疑問形で多用されます。
会話例:

A「今日、ジム行くがー?」

「行く行く、太ったっけさ〜」
語尾に「が?」が付くだけで、ぐっと新潟っぽくなります。
初めて聞いたときは「ちょっと強い言い方かな?」と感じる人もいますが、実際にはとても柔らかく、親しみを込めた問いかけとして使われています。
「ごーぎ」や「ばか」は“強調”に使える万能ワード
どちらも「とても/すごく」といった強調表現。
「ごーぎ寒い」「ばか混んでる」など、感情の大きさがそのまま伝わる便利な言葉です。
会話例:

昨日のライブどうだった?

ばか盛り上がったて〜!
こういった強調ワードは、使うだけで一気に新潟っぽさが出るだけでなく、気持ちの“ノリ”も伝わるのが魅力です。
テンションの高さや驚きをそのまま表現できるから、会話に勢いがつくんです。
旅行先で何かに感動したとき、「ごーぎキレイだった!」なんて一言を添えれば、地元の人も思わず笑顔になるかもしれません
「おめさん」って呼ばれると、なぜかあったかい
「おめさん」は「あなた」という意味ですが、
「お前」よりもずっとやさしく、ちょっとだけ丁寧。
会話例:

おめさん、観光で来たん?どこ泊まってくん?

えっと、おめさん?(笑)
こんなやりとりが、旅の思い出になるかもしれません。
初めは戸惑っても、何度か聞くうちに心地よくなる――
それが方言の不思議な魅力です。
地元でよく聞く!思わずマネしたくなる方言10選

以下、地元民がリアルに使う頻度の高い“本当に聞こえてくる”方言です。
方言 | 意味 | 一言コメント |
---|---|---|
なじらね? | 元気?/どう? | 日常的なあいさつ。「調子どう?」の感覚 |
ごーぎ | とても/すごく | 「ごーぎうんめぇ」など強調に |
いっぺこと | たくさん | 「いっぺこと買ってきた」 |
うんめぇ | 美味しい | 子どもからお年寄りまで自然に使う |
おめさん | あなた | 親しみと敬意が同居する |
ばか〜 | めっちゃ〜 | 「ばか眠い」=超眠い |
なんだいや〜 | 何それ〜 | 驚き・ツッコミにも使える |
〜がー? | 〜なの? | 疑問形の語尾。「今日寒いがー?」 |
だっけさ〜 | だからさ〜 | 会話のつなぎで多用される |
あっちゃこっちゃ | あちこち | 「あっちゃこっちゃ出かけて疲れたて」 |
補足:一部は新潟市ではあまり使われない地域差のある言葉です。
観光で訪れる場所ごとの“方言の違い”も楽しめます。
観光中に「方言」が旅を面白くする瞬間

道の駅や居酒屋に“方言POP”があるかも
新潟を旅していると、ふと目に入る看板や張り紙に、地元ならではの言葉が書かれていることがあります。
たとえば…
- 道の駅の売店で
「ごーぎうんめぇ!コシヒカリおにぎり」
「ばか売れてます、朝採れトマト」 - 温泉宿の廊下に
「なじらね? 今日もええ日らて!」とチョークで書かれた手書き黒板 - 居酒屋のメニューに
「本日のおめさんセット」
「だっけさ〜今日のイチ押し:ぶりかつ丼」 - トイレの張り紙に
「いつもキレイに使ってくれて、感謝らて!」なんてほっこりメッセージ
こうした方言POPは、
✔ 観光地の“地元感”を演出してくれるだけでなく
✔ 旅先の空気に自然と溶け込める“入り口”にもなってくれます。
意味がわからなくても、「これどういう意味なんだろ?」と調べたり聞いてみたりすることで、ちょっとした交流が生まれるのも醍醐味です。
知らない言葉は「教えてください」が正解
新潟を旅していると、
・「なじらね?」
・「ごーぎ寒いて〜」
・「おめさん、どっから来たん?」
など、耳慣れない言葉に出会うことがあります。
そんなときは、勇気を出してこう聞いてみてください。

「それって、どういう意味ですか?」
たった一言ですが、それだけで会話が生まれ、思わぬ交流につながることも。
こんなやりとりが、旅の記憶を深くしてくれます
- 方言の意味を聞いたら、
「ばあちゃんが昔から言うてたわ〜」と教えてくれた - 「もっと面白いのあるよ!」と、追加で方言を披露してくれた
- その流れで、
「おすすめの店あるけど、行ってみる〜?」と地元情報もゲット
知らないことは、聞いてみることで、その地域の人柄や文化にグッと近づける。
旅先では、言葉の意味よりも、
そのやりとりそのものが思い出になるかもしれません。
方言に出会ったら、ぜひ「それって、どういう意味ですか?」と聞いてみてください。
たった一言で、地元の人と笑い合える瞬間が訪れるかもしれません。
まとめ|“あったけぇ”新潟弁、聞くだけでも旅の思い出に

新潟の方言は、
やわらかくて、どこか懐かしくて、ちょっと笑えて、そして…あったけぇ(温かい)。
言葉ひとつで、その土地の空気や人柄が伝わってくるって、不思議ですよね。
今回ご紹介した新潟弁は、こんな風に旅を彩ってくれます
- いつもの「こんにちは」が、「なじらね?」に変わるだけで距離が縮まる
- 「ばか寒い」「ごーぎうんめぇ」で、旅の感想に味わいが出る
- 「おめさん」って呼ばれた瞬間、ちょっと笑って、なんだか嬉しくなる
- 道の駅や温泉地のPOPを読むのが、ちょっとした宝探しになる
- 「それどういう意味?」と聞いた一言から、思いがけない会話が生まれる
言葉は、ただのツールじゃなくて、人と人をつなぐ“きっかけ”。
新潟弁には、その“きっかけ”がぎゅっと詰まっています。
次に新潟を訪れるときは、
ぜひ耳をすませてみてください。
「なじらね?」
「ばか元気らて!」
「だっけさ〜!」
なんてやりとりが、旅の思い出をもっと深く、もっとおもしろくしてくれるはずです。
ことばは、最高の旅のお土産。
新潟の方言を知ることで、あなたの旅がもう一歩、やさしく、あったかくなりますように。
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